役尊神

役行者(えんのぎょうじゃ)は本名を役小角(えんのおづぬ)といい、修験道の開祖として知られる。西暦634年葛城に生まれ,古神道や仏教を学び,山岳修行により龍樹菩薩の秘法を授ったのち、末世の様相において悪病や災厄,人間の欲望や煩悩を降伏させることのできる御本尊として、忿怒(ふんぬ)の相をした金剛蔵王権現を感得した。

不思議な力を持ち、のちに光格天皇から「神変大菩薩(じんぺんだいぼさつ)」というおくり名を賜る。

国内の多くの修験の霊場は役行者またはその弟子たちによって拓かれたといわれている。大宝年間(701~704)には,秩父に飛来し,当社の霊泉に八大龍王を祀った。こののち秩父は修験の重要な拠点のひとつとなっていった。

当社では「役尊神」(えんのそんしん)として奉斎し、その帰幽の日に合わせて「役尊神祭」(えんのそんしんさい)を執り行い、その御神徳に感謝の祈りを捧げている。